スポンサーリンク

デマとパニックの行動心理

⭐️ 新着

宇宙戦争とデマとパニック

新型コロナウイルスの全世界に広がり、ついにWHOはパンデミックの宣言をしました。

感染拡大が進む各国では外出の自粛や移動の制限が実施され、株価の急落にみられるように経済活動に深刻な打撃を及ぼしています。

特に外出制限がなされた場合に備えて、食料品や生活必需品の買い占めが行われたり、品薄になった商品が高値で取引されるなどのパニック現象がみられました。

人々をこのような行動に駆り立てられるのはなぜでしょう?


そこには集団心理が密接に関係しています。

集団においてパニックが発生する原因にはいくつかあります。

まず、不安な状況にあって自分の身に危険が迫っていると思うことです。

そして、それから逃れる方法は限られており、それには他者との競争に勝たなければならないと思い込むこと、さらに、集団内で適切なコミュニケーションがとられていないことです。

これらのことが重なると集団はパニックを起こし些細な出来事が原因でも大きな事件につながってしまいます。

今回は、些細な出来事がきっかけで大きなパニックが発生した事例として有名な1938年のラジオドラマの宇宙戦争事件をご紹介します。

スポンサーリンク
スポンサーリンク

宇宙戦争

宇宙戦争はH・G・ウェルズの古典的SF作品で火星から飛来した火星人が英国を侵略するというストーリーです。

1953年にはジョージ・パル監督、2005年にはスティーブン・スピルバーグ監督で映画化もされ、火星人といえばタコのような姿というイメージを定着させました。

このようにさまざまなメディアでひろまった宇宙戦争ですが、その名を有名にした作品の一つに1938年に放送されたジョージ・オーウェルのラジオドラマ作品があります。

スポンサーリンク

ハロウィンの出来事

その日はハロウィン前日の日曜日で午後8時に放送が開始されました。

番組の冒頭でプロデューサーのオーソン・ウェルズがナレーションで登場し、宇宙戦争の放送を知らせると、架空の天気予報がアナウンサーによって読み上げられました。

それに続き、架空の楽団による音楽の演奏が始まります。

演奏がはじまって、1分ほどしたときアナウンサーが火星の表面での爆発があり、ガス状の光が地球に向かっていることを天文台が観測したという臨時ニュースを読み上げます。

その後、何事もなかったように楽団の演奏が再開されます。

しかし、楽団が1曲目の演奏を終え、次の曲の演奏を始めた途端にさらなる臨時ニュースが飛び込んできます。

先ほどの火星からの光の正体は隕石で、それはニュージャージー州のグローバーズ・ミル郊外の農場に落下したというのです。

番組は新たな情報が入りしたい伝えるというと再び楽団の演奏が再開されます。

やがて、落下現場に到着したレポーターからの中継が飛び込んできます。

落下した隕石は岩などではなく巨大な金属の筒のような形状であるというのです。

レポーターの背後からは群衆のざわめく声やそれを制止する警官の声が聞こえており、それらの声に交じって隕石から聞こえてくるブーンといった金属音が響いていました。

そして、レポーターは筒状の隕石の一部がねじのように外れて開き、中から火星人が現れ、詰めかけた人々に熱線を浴びせているというのです。

熱線を浴びた人は燃え上がり、ラジオからは人々の悲鳴や慌てた現場の様子が聞こえてきました。

やがて、レポーターめがけて光線が発射されると中継が途切れてしまします。

しばらくの沈黙の後、スタジオのアナウンサーから現場の状況が報告され、火星人の40人の犠牲者が発生し、先ほどの熱線による攻撃のほかに毒ガス攻撃を行いながら移動していることが知らされます。

やがて、政府が火星人の攻撃を受けているという発表をしたと伝えてきました。

スポンサーリンク

各地のパニック

以上が放送され番組の流れであり、番組の各所でフィクションのラジオドラマであること伝えるアナウンスがたびたびおこなわれていたにもかかわらず、ラジオを聞いていた人々はこれが現実のニュースであり、火星人の攻撃が迫っていると思い込む人が全米で続発し、各地でパニックが発生していきます。

ドラマの舞台となったニュージャージー州では火星人から逃げようとする人々の車が道路にあふれ、大渋滞が発生。

あるものは毒ガス攻撃に備えてガスマスクを買い求め、あるものは食糧の買い占めに走りました。

世界の終焉と救済を求めて教会に押し寄せる人や銃をとり火星人に攻撃を仕掛けようとするものまで現れます。

中にはパニックになり心臓発作で病院に担ぎ込まれる人もいました。

ラジオ局には説明を求める電話が殺到し、その中には火星人を実際に見たという人もいたそうです。

事態を重く見たラジオ局は番組の最後で火星人による攻撃は存在せず、フィクションであると繰り返しますが、パニックは収まらず、ついに州兵が出動する事態となります。

ラジオ局の前にはパニックに踊らされて怒り心頭の人々が詰めかけて混乱状態となっており、暴徒の乱入を恐れて警察は番組の関係者を安全な場所に移動させる事態となってします。

翌日、パニックはほとんど沈静化していましたが、人々の怒りは収まらす、全米から番組に対する損害賠償請求が提訴され、その請求額は数百万ドルに及んだといわれています。

スポンサーリンク

世論や社会的反応

一方、なぜこれほどの人がこのような火星人の襲来のような荒唐無稽なデマに惑わされたのかや大衆がいかに騙されやすいかが社会的な話題となります。

そして、いかにアメリカ国民が戦争状態のような非常事態にもろいかを証明して合衆国の脆弱性の指摘に貢献したと番組に好意的な世論が広まっていきます。

結果として、訴訟はすべて退けられ、プロデューサーのオーソン・ウェルズは一躍有名になり、その後、ハリウッドで市民ケーンなどの名作を生み出していきます。

スポンサーリンク

なぜパニックが起きたか「原因」

なぜ、これほどのパニックが起きてい待ったのでしょう?

それは、偶然の一致と当時の社会情勢が関係しているといわれています。

ひとつは、偶然多くの人が番組を聞く条件が発生していた点です。

もともと、この番組は聴取率が低くかったのですが、ちょうど裏番組が終わり、チャンネルを回した人々が番組途中から聞き始めたことが多かったのです。

そして、当時の世界が情勢不安に包まれていた点です。

当時、世界恐慌からファシズムが台頭し、ヨーロッパではヒトラーのナチスドイツがヴェルサイユ条約の無効化や再軍備宣言、ラインラント進駐などの拡張政策を推し進め、ついにはチェコスロバキアのズデーテン地方の割譲を要求してきました。

第一次世界大戦の記憶から立ち直れない英仏はチェコスロバキアの了承なく割譲を認めるなど、戦争の気配と全体主義の恐怖が漂ってきていました。

このような社会的不安から、火星人の正体はドイツの秘密兵器ではないのかと考える人もいたそうです。

スポンサーリンク

まとめ

パニックになってしまった人がいた一方、番組を注意喚起やフィクションゆえの矛盾点、ほかのラジオ局では通常放送が流れていることなどを冷静に判断していた人がほとんどであったのも事実であり、最近の研究ではパニック事件自体が当時のマスコミによって、過大に誇張されていたとする説もあります。

社会的な不安な時こそ、多角的な情報を冷静に判断し、落ち着いて慌てることが大切だ
と思います。

ご訪問ありがとうございました。

⭐️ 新着
スポンサーリンク
シェアする
kazutoをフォローする
スポンサーリンク
和to-share

コメント

Secured By miniOrange
タイトルとURLをコピーしました